このお話は、管理人が相方+相方の相方とグレイセスをプレイして、面白かったところをピックアップしてギャグ化したものになります。
・アスベルさんたちのキャラクターが崩れ過ぎていても気にならない(比較対象→逆行1くらい)
・管理人自体に突っ込みたいところがあっても突っ込まない
・いろんな意味でカオスでも突っ込まない
・プレイ記に心なしか近いので、ネタばれが気にならない
さて、以上が耐えられる方だけ、どうぞ広い心を持ってお読みください。
ちなみに、管理人→アスベル操作、相方→ヒューバード操作、相方の相方→シェリア操作でプレイしております。そして、半分くらい彼らの会話は実話です。
皆さんは御存知だろうか。
カオス、という言葉を。
古くは根源たる世界。すなわちただ物質の定義も境界もない混沌を指す言葉として用いられることもあり、転じて状況の比喩としても使われている。
或いは、ガイアよりも先に世界に生まれた神であり、エレボスやニュクスがここより生まれ出で、アイテールとヘーメラーが生まれ、そして世界が作られたともされている。
学者で有れば、数値解析に当てはめるには複雑すぎる、所謂非線形性を持つ現象に当てはめるものもいるかもしれない。
つまるところ。
まぁ、今を表現するとすれば、その言葉がぴたりと当てはまるのである。
戦闘ランク『カオス』
「...アスベルっ!!早く、早くゲージためてぇえええっ!!!!」
シェリアの細い悲鳴がめいっぱい岩壁に反響している。
女子の悲鳴など騎士としては聞き捨てるわけにはもちろん行かないのだが、いかんせん目の前の敵があまりに固すぎる+痛すぎるので、先ほどからちまちまとヒットアンドアウェイでしか攻撃できていない悲しさなのだ。
一応、引きつけては離れ、引きつけては離れと動いてはいるのだが、詠唱をしている限り移動ができない術者にしてみれば、いつ自分の方に襲いかかってくるかと思うとうかうか集中もしていられまい。
先ほどからついに、ソフィの回復が追い付かずに無言でグミを頬張り始めて、あのかわいらしいほっぺたがパンパンになってしまっている。...喉につっかえるとかえって危険なので、後で止めなくてはなるまい。
ちなみに、火力の割に少しばかり防御の豆腐なツンデレ弟は、兄の代わりに最前線で敵を食い止め続け、目下ライフボトルで水っ腹の勢いで有る。
...とりあえず、後でオムライスくらいはおごってやるべきかもしれない。(命をかけてオムライスというギャラが釣り合っているかを聞いてはいけない。...気持ちの問題だ。...と、思う。)
全滅を避けるためとはいえ、弟を盾に逃げ回っているのは騎士以前に兄としてどうなのか自分に問いかけなければいけないような気がする。
こころなし、控えでこちらを見守っている元教官の視線も痛い気がしてならない。
...ツンデレ第二号との呼び名がじわじわ高まっているラムダの力を借りるにも、下準備(ゲージため)が必要なので、ゲージを無駄にしないためにもアスベルが一度戦闘不能になってしまうことは避けないといけない。
ラムダのツンデレサポートのおかげで、ドライブモード発動の時が唯一、術師たちが安全に詠唱できる唯一の安全時間帯(除く、エレライズ)なのである。
と。
バックステップを超えて、さらに敵が突っ込んでくるのを目の端でとらえて、アスベルは慌ててさらに後ろに飛びずさった。
ぎりぎりの鼻先を敵の爪先がかすって、その威力にぞっとする...あれを食らったら、ちょっとお茶の間にはお見せできない展開になるところだった。
一瞬遅れて背中を冷や汗が伝ってゆく...ハーブ類でのドーピングなど雀の涙にしか見えないような勢いでざっくざっくとHP削ってくれる新種の魔物(推測)が、心底魔王の使い...否、魔王それ自身に見えて仕方ない。
とりあえず、避けることのできた今の幸運を喜ぼう。ああそうしよう生きてるってすばらしい!!
アスベルが一人コンマ数秒単位の生への感動に浸っていると、後ろから弟の至極不機嫌な声がとんできた。
「兄さん!せっかくヒールウインドかけてるのに動かないでください!」
「無茶言うなよ!」
かつて、無茶を言うのは兄であるこちらの専売特許だった気がしたのに。
確かに、先ほどまで自分がたっていた場所には、ヒューバートが、自分も苦しいにも関わらずかけてくれたのであろうヒールウインドのサークルがその役目を果たせずに薄れているのが見える。
が、その場所に立っていてヒールウインドの恩恵を受けていれば、多分回復するよりも多いダメージを受け取れたわけで。
例え愛する弟のこころづかいとはいえど、むしろこっちが食い止めている間に自分を回復してくれた方がいいなぁと思ってしまうのだ。
ぽこぽこ頭から怒りのオーラを発している弟は、ちっと思い切り舌打ちをしてから再び走り出した。ちょうど敵が突っ込んできたところだったから、二、三切りかかっては離れるのヒットアンドアウェイに切り替えて再びの前線参加。
「アスベル、ヒューバート、思いっきり突っ込んでいいわよ!」
後ろで、詠唱を終えたのかシェリアが叫んだ。
つまりは回復の準備が整ったということだろう。ソフィも回復に特化しているが、シェリアは全体回復が行えるので、攻撃に合わせて回復を発動してもらえればおおよそ安全剣なのだ...まぁ、回復してもらえるまでは痛いけれども。
「解りました!」
「わかった!!」
「なんだったら逝っちゃっても大丈夫だから☆」
空気が読めない読めないと常々皆から言われているアスベルだけれども、背後から飛んできた幼馴染の、妙にハイテンションなその声の副音声は何故か聞き取ることができた。
「なんだったら逝っちゃっても(速効レイズデットで起き上がれるから)大丈夫だから☆(こっちに敵よこさないでね☆)」
さっきから、「殺られるんなら同じところに倒れててよー!!」とか、「ピクシーサークルより効率いいでしょ?」とか、段々我らがパーティの癒し手がいい具合に歪んでいる気がするのは気のせいだろうか。
ああ親父、なんだか俺、心の汗が止まらないよ...
かつての、あの病弱だった幼馴染は、大変逞しく育ったようです。
力の限り戦って、戦闘不能になった瞬間に叩き起こされて、後ろでシェリアが『ナイスタイミング私☆』とかにっこりしていたのを一度見てしまってからは、もうアスベルは怖くて後ろを振り返ることができないでいる。
純粋なお子様(名実ともに、である)が真似をする(レイズソウル待機)ので、あとでちょっと話しあいの場を持つ必要があるだろう。なんというか、情操教育上とてもよろしくないと思うのだ。色々と。
『命は大切に』→『レイズソウル待機』という思考回路は、非常にぶっ飛び過ぎているような気がしてならない。
「...なぁヒューバート」
「なんです兄さん」
とりあえず少しでも相手のヒットポイントを削るべく並んで走り出した弟に、アスベルはぼそりと先ほどから気になっていた本音を漏らした。
「...ランクカオスでボス戦は、やめないか...?」
「...」
眼鏡を押さえながら、沈痛な面持ちを見せたヒューバートは、地を這うような低い声で、ようやくと声を吐き出す。
「...僕も心底そう思います...」
弟と響き合った瞬間だけれども、おそらくその願いがかなえられることはないということは、彼らが何よりも良く知っていることであり。
せめて、戦闘不能になる前に回復が発動することを願いながら(戦闘不能と同時にマーボーカレーが口の中に突っ込まれるのも、中々に頂けない)、ラントの兄弟は各々の武器を手に取るのであった。
<解説>
半分以上、実録(笑)
管理人が操作へたくそということもあるのですが、相方の相方宅で三人プレイでボス戦やっていたところ、『ランクカオスはないわ』という状況になりました。
リチャード陛下やラムダ(もちろんカオス、でも途中でイービル)も非常に凶悪でしたが、未来への系譜編の中ボスたちも非常に凶悪でした。...回復担当してくれていた相方の相方(シェリア)が、途中でナースの発動を投げだし、「倒れるときは誰かと重なっておいて」とレイズデットしか唱えてくれなくなったのもいい思い出です。
術攻撃力方面の火力抜群のアスベルさん(@管理人)は、B技中心で撃っては逃げ撃っては逃げなので、相方操作のヒューバートさんがしょっちゅう可哀そうな目に合っておりました(ほとんど一人前衛状態)。...ごめんねヒューバート...
カオスは、殆ど開発さんのプレーヤーに対する挑戦のような気がしてならないのですが、何故か三人でプレイするときはランクがこれに固定されています。
アビスのネビリム先生も非常にカオスでした...あれもやっていておもしろかったので、今度こっそりと書いてみようと思います。
初めて書いたグレイセス関連がこれって...(苦笑)
2011/1/24up