新しいお話を考えるに当たって、少し変わった設定にしてみようと思いました。
・ルークは、王位継承権を放棄して、キムラスカ王国の騎士団に所属しています
・ガイは、お付きを兼ねて副官をしています
・両親の反対を押し切っての入団だったので、コネなし、半分勘当状態
・わりと生活力のある感じに育ちました
・入団は15歳の時
・怒濤の成長で、一個小隊を持つほどになりました
・預言は存在します
・五年で騎士団入れるまでに成長するというミラクルは、彼の努力のたまものです(またの名を管理人のごりおsげふがふ)
・口調とか性格とかはかなり違います。でもまだ17歳です。つまり若いです
つまり妄想編です。これが続くかどうかは・・・
のりと勢い次第です。
そして、まだ物語が始まっていないところで切れるのは、この場面を私が書きたかったというだけでございます。
紅茶色のカフェオレ
シャーっと、軽い音と共に目に飛び込んできた許容量以上の光に、外ではいつの間にか雨が止んでいたことを知る。
ちかちかとした視界に、目をすがめて窓へと顔を向ければ、逆光の中でも見違えることはない、幼なじみの笑顔。
目をすがめて大切なものを見るような笑い方は、たぶん自分にしか見せないと自惚れることもできる彼の本当の笑い方だ。
「朝・・・?」
確か、自分が書類を読み始めたのは、彼が自分に夜の挨拶をしてからだったはずだ。
さて。
現在にておいて、光が自分の目を焼いているということは、今は夜ではあり得ない。
もう一度幼なじみであり、自分の副官でもある彼へと目を向けた。
「・・・。」
確かに、彼の笑顔は自分の知る限り最高の笑顔だ。
が。
同時に、自分は彼が本当に怒っているときも、こんな笑顔であることを知っているような気がする。
自分のほっぺたが、ひくりとひきつったような感覚に陥って、無意識に足が逃げの体勢をとろうとするが、しかして出口はすでに彼が鍵をかけているのだろう、そこらの手ぬりかりがこの幼なじみにして親代わりでもあり、親友兼兄弟兼副官たる彼に限ってあり得ないということもわかっている。
とりあえず、おとなしく両手をあげて抵抗の意志がないことを示すと、ついで笑顔の彼が近づいてきて・・・。
ごつっ
「てぇええええええっ!!!!!」
徹夜明けの頭には非常につらい刺激・・・つまりはげんこつが、変わらぬ笑顔のまま降ってきた。
ちかっと視界に光った星は、錯覚でもあるまい。
ぼろっとこぼれた涙で視界をにじませながら、頭を押さえて悶絶していれば、ようやくとあの笑顔を解いた幼なじみの、あきれたような声が降ってきた。
「・・・徹夜すると、成長止まるってあれほど言っといただろ」
「・・・うううう俺の成長ホルモン・・・」
成長期の17歳にしては少しばかり小柄な自分にとって、夜中にでるという成長ホルモンの話は非常に藁にもすがりたい思いであったのに、書類に没頭するあまりまた成長の機会を逃してしまったとなれば涙も流れようものだ。
若さ故に、ちっとやそっとの徹夜が堪えないからこそ、こういう風についついと夜を明かしてしまっては幼なじみに説教されるパターンは何度も繰り返されているもので。
何度もふりおろされたげんこつの後には。
「ほら、せめてカフェオレ飲んでおけ。・・・午前中は、訓練だぞ」
「ううううう俺の身長・・・」
まだあきらめきれずにぐちぐちと言っていれば、目の前におかれるのは甘い匂いを漂わせるマグ。
なんだかんだと自分に甘いこの副官は、自分が屋敷をほとんど家出同然に飛び出してからこちらも、結局自分の身の回りの面倒を見続けているような気がする。
ほんとうに、いつまでたっても自分は彼に頭が上がらない。
きっちり自分の好みの味と熱さに調節されたカフェオレには文句のつけようもなく・・・血のにじむような思いをして小隊長までかけあがった今でも、自然と上目遣いににらんでしまうのは、幼さばかり象徴されるとわかっていてもついついと彼の前だけではでてしまう癖でもある。
「ほら、気合い入れろよ、ルーク・・・いや、小隊長殿?」
嫌みなくらい気障なせりふも、彼にかかればさわやかなだけだから悔しいばかり。
ようやっと目に飛び込む光が柔らかに感じられたところで、壁に掛けられた時計はそろそろ訓練へ向かうべき時間を示している。
「行こうぜ、副官殿・・・ガイ!」
相棒の名前を呼べば、了解隊長。とウインク付きの敬礼。
この日が、自分にとっての運命の日となるとはまだ知らないまま。
ルークは、気合いを入れるように一度自分のほっぺたを挟むようにたたいて、席を立ち上がった。
ここでのポイントは、主従ではなく小隊長と副官という微妙な上下関係だと思います(くわっ)
何でこんなの書いたかと言えば、多分にヴェスペリアとグレイセスのせいだと思うのです・・・
このまま続くかどうかは、プッシュ次第ではありますが・・・。
このまま物語進むと、完全連載モードになるけれども、そこまでいらっとしない物語が作れるんじゃないかと思うんですがどうだろう。
2011/2/20up