・ある意味、私のプレイ日記的な要素です。
・PS3版ネタバレあり?
・sssくらい
・ギャグです、殆ど。
・会話だけのもあります。
・誰もがやると信じてる
「いいか、皆」
かつてないほどの、ユーリの真剣な声に、皆がうなずく。
ここは、ナム孤島。つまりは、レクリエーションの島。
であるのにもかかわらず、彼らはまるで、これから戦いに赴く戦士たちのようである。
しかし、彼らにとってはまさしくここは戦場である。故に、彼らは手を抜くことは、絶対にあり得ない。
ユーリが、思いの丈を込めるように、ぐっと拳を握りこんだ。
「・・・思えば、いろんなことがあったな」
その言葉の先をつなぐように、カロルも涙をこすりながら、続ける。
「スキル覚えるの優先にして、武器合成ばかりして、回復アイテムが常に不足してたよね」
エステルが、手を組み合わせるようにして、沈痛な面もちで下を向いた。
「なぜか、けが人一人のためについ全体回復使ってしまうから、慢性TP不足でついにはナースもハートレスサークルも使用禁止されて、終盤だというのに私、ファーストエイドしか使わせてもらえませんし」
ジュディスが、その美貌に少しばかりのかげりを見せて、うなずく。
「敵が強いのはやりがいがあってよいのだけれど、うっかりライフボトルが二個しかないでボス戦に突入して、正直スリル満点だったわね」
レイヴンが、心臓魔導器を押さえながら、うめく。
「クロームんときなんか、おっさんとリタっち生き返してるんじゃライフボトルもグミも足りないからって、嬢ちゃんについにレイズデット禁止令まで発令されて・・・まさか、あちらさんだって、スターストロークと蒼波刃だけで倒されるなんて思ってもみなかったでしょうけど・・・おっさんだって、まさかボス戦で、戦闘不能のまま放置されるとは思わなかったわよ」
「ライフボトル二個しかなかったんだから仕方ねーだろ。回復役やられたら終わりだし。最後はちゃんとライフボトルなげただろ」
「おっさん立ち上がった次の瞬間戦闘終わってたけどね」
ジト目でにらんでくるレイヴンのことはさらりとあしらって、ユーリはちらりと、やはりこちらも沈痛な面もちをしているパティに視線を向ける。
「追加要員だからって、とりあえず装備は、全部宝箱頼りだったのじゃ・・・うちだって、たまには新品がほしいのじゃ・・・」
全員の切実な叫びを聞いて、改めて、ユーリは全員を見回す。
周囲は、妙に軽快な音楽と共に、大変和やかなムードでお祭りが行われているけれども、そんなことは全く、彼らには関係のない話だ。
「・・・金欠、金欠、とりあえず金欠。これに尽きた。食料だって、拾ったものか強奪したもの以外なかったよな・・・。しかし、イベントは待っちゃくれない。ぼったくり温泉のために、あのミニスカーズの為に、はたまた合成とアタッチメント、そしてなによりもレシピ拾得の為には、まずなにより先立つものがなくちゃどうしようもねぇ」
「・・・当初は、ワンダーシェフがいたときなんて狂喜乱舞でしたよね。食材、三セットはくれますから」
なんだかんだと、パーティのお財布はユーリが管理しており、そのシビアさはダントツに経験してきたといえよう。
経験値というよりもなによりも、お金を稼いで次の町で装備をそろえるためだけに、うろうろうろうろと敵はいねーがーとむしろダークボトルぶっかけて真夜中徘徊したのはもはや良い思いでだ。
そのユーリが、ぐっと、なにか熱いものをこらえるように一瞬、顔を伏せて。
そうして、顔を持ち上げて、はっきりと、そして力強く。
思いの丈を、すべてそこに込めるようにして、仲間たちへのメッセージを、謳った。
「俺はポーカーでひたすらチップを量産する。エステル、カロル、リタはガチャゴロをエンドレス!おっさんは景品交換所で結界とグミを交換、ガチャゴロ景品を併せてジュディと組んでバウルでユウマンジュまで売りに行くこと!パティは、ガチャゴロ組と俺との連絡係をラピードとやってくれ。俺が稼いだチップを、そのまま向こうに運ぶ役目だ」
「「「「「アイアイサー!!」」」」」
「ガチャゴロはセイジ優先、3万ガルド狙っとけ!」
「分かりました!」
...かくして、友人がピンチだとかそんな感じの会話を聞いてすぐに、オープンしたてのナム孤島に駆け込んだ面々は、一晩で百万ガルドを稼ぎきったそうな。
・だって、手が回らない。
「...えぇと。ジュディス?」
「何かしら」
「...目が、怖いんですが」
「そうかしら」
「...心なし、僕はパティの目も、なんかこう、据わっているような気がするな...」
「...そんなことないのじゃ」
「おっさんは楽しそうだな」
「だっておっさん、二軍で女の子に囲まれてたほうが楽しいもん」
「イミテーションガルド集めるのに、前線は常にユーリとフレン。あとはラピードと僕が交代交代で入って、エステルが回復固定でしょ。人型以外のボスなんて、リタの以下略でもらえる経験値が、ボーナスのほうが一桁くらい多くなってるし」
「うっさいわね。いいじゃないの勝てば」
「うんまぁ、僕も別にそれで構わないけどさ」
「リミッツボトルもったいないからって、俺たち盾にしてアピールしまくんのはどうかと思うが」
「仕方ないじゃない、リミッツゲージ溜まるの遅いんだもの!」
「...あぁ。楽しそうな会話、してるわよねぇ」
「そうじゃのう、ジュディ姐」
「...パティちゃん、ジュディスちゃん、本格的に怖いんだけど何か」
「レイヴンはまだいいのじゃ!追憶で出番がないだけで、普段はちゃんとエステル姐と交代で回復要因じゃろっ!!」
「私達なんて、バックアタックされない限り出番がないから、一回の戦闘で技が覚えきれないものね」
「...えぇと、その」
「何かしら、一軍のフレンさん?」
「...なんだろう、すごく棘を感じるのだけれど。いや、追憶のモンスターがあまりジュディス向きでないだけで、ちゃんとここが終ったら出番があるよ」
「私の記憶だと、私がまともにメンバーに入っていたの、ガスファロストだけだった気がするけれど」
「...そうだっけ」
「...そうかもしれません」
「...わふ」
「ウチも出番ないのじゃ!!一回ちょっと料理失敗して全滅しかかったからって、ひどいのじゃ!!」
「...パティのは結構自業自得じゃないかな。セーブしたの大分前のボス戦直前で、いきなり瀕死になって回復しようにもTPも持ってかれた僕たちの、切実なる心の悲鳴じゃないかな」
「パティも普段は料理美味いんだけどな。...ちゃんと、失敗したからまずいだけで、料理は美味い」
「ユーリ、すごく言葉に棘を感じるんだけど」
「気のせいだろ」
「ま、まぁとにかく!大丈夫ですよこれから闘技場制覇に行くんですし、皆出場です!」
「...楽しみにしているわ」
どっちも実話です。
ナム孤島は本気で、フレン助ける前にミラクルバンクルとリスキーリング、あとアタッチメントを一そろいゲットした挙句、お金もユウマンジュの分ためました。
2009/10/4up